2018.9.14更新
昭和62年3月13日 東京地裁判決
経緯
昭和59年9月末 | 借家人が9月分家賃の猶予を求めてきたのに対し、家主は11月中旬を期限として応じた |
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昭和59年11月末 | 借家人が立退きに同意した後、連絡がつかなくなったため、家主は部屋の入口に「連絡を請う」趣旨の貼り紙をした |
昭和59年12月中旬 | 家主は更に「立ち退かない理由を問う」趣旨の貼り紙をした |
昭和59年12月末 | 借家人所有の資材等を移動する旨の内容証明を発送したものの、借家人「不在」のため配達されなかった |
昭和60年1月 | 家主が部屋の鍵を交換した |
昭和60年2月中旬 | 家主が借家人所有の資材・備品を全て搬出して保管した 借家人から提訴 |
契約内容 |
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所在地:東京都杉並区 |
裁判所の判断 |
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貼り紙について 鍵の取替えについて 物品の搬出について |
結論 : 家主の各行為は違法ではない(借家人敗訴) |
ポイント家主による法的手続きに基づかない自力救済行為が違法ではないとされた数少ない判例です。緊急性や相当性、他の手段を試みた結果の最終手段である点などからやむを得ないと評価されたものと思われます。 ただし、事例としてはやや古く、現在も同様の判断がなされるとは限りません。 また、実際には緊急性や相当性を立証できるかというハードルもあるため、安易に類似の事例で同様の行為をとることはリスクを伴うと言えるでしょう。 |
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