2018.10.16更新

昭和39年2月25日 最高裁判決 

経緯

契約内容

契約:前所有者が所有土地を貸借(賃貸借か使用貸借かは認定せず)
土地の相続:昭和19年5月1日、単独所有だった前所有者の死亡により、前所有者の妻及び母の2名が相続人となり、各2分の1の持分割合による共有となった。
持分譲渡:昭和29年4月28日、妻がその持分をタクシー会社に譲渡し、その後は営業所を設け、独占的にタクシー置き場として利用。
裁判:2分の1の持分を有する母が貸借契約の解除を求めて提訴

裁判所の判断

共有者全員での解除の必要性
民法544条1項は、共有物を目的とする賃貸契約を解除する場合には適用されない(つまり、共有者全員の同意は不要)。


共有者単独での解除が可能かどうか
民法252条本文の適用を受ける管理行為と解すべきであるから、過半数の持分権を有しない共有者は、特別の事情がないかぎり、単独で右契約の解除をすることができない(つまり過半数の持分権を有していれば単独での解除が可能)。

結論 : 過半数の持分のない共有者は、単独で賃貸借契約を解除をすることができない

ポイント

民法544条1項は「当事者の一方が数人ある場合には、契約の解除は、その全員から又はその全員に対してのみ、することができる」としているところ、これについては賃貸契約への適用は否定されました。
一方で、賃貸借契約の解除については、これを共有者なら誰でも単独でできる保存行為ではなく、持分の過半数が必要である管理行為としました。