2018.10.17更新

昭和43年11月21日 最高裁判決 

経緯

昭和37年3月15日賃貸契約締結
昭和38年11月11月分から借家人の家賃滞納が始まる
昭和39年3月14日家主から借家人に対する契約解除の意思表示が到達
契約内容

所在:東京都足立区
建物①:木造亜鉛板葺二階建店舗(1・2階とも64.46㎡)のうち、2階東側約13.22㎡
建物②:木造瓦葺二階建居宅(1階49.58㎡、2階52.89㎡)のうち、2階約52.89㎡
特約:賃料を一箇月でも滞納したときは催告を要せず解除できる

裁判所の判断

特約の有効性について
家屋の賃貸借契約において、一般に、賃借人が賃料を一箇月分でも遅滞したときは催告を要せず契約を解除することができる旨を定めた特約条項は、賃貸借契約が当事者間の信頼関係を基礎とする継続的債権関係であることにかんがみれば、賃料が約定の期日に支払われず、これがため契約を解除するに当たり催告をしなくてもあながち不合理とは認められないような事情が存する場合には、無催告で解除権を行使することが許される旨を定めた約定であると解するのが相当

結論 : 催告をしなくても不合理とは認められない事情がある場合は無催告解除特約は有効

ポイント

家賃滞納が1ヶ月分でも無催告解除ができるとの特約は「催告をしなくても不合理とは認められない事情」があれば有効ということが示されました。
ただし、本件は5ヶ月分の滞納がありました。この判例は、文言通り有効とするものではないため、単に1ヶ月の遅滞で無催告特約が認められるとは限りません。
むしろ、数ヶ月の滞納があったり、滞納自体は1ヶ月であっても滞納が繰り返されていたりする場合などの事情が必要との認識を示したものと思われます。
文言自体から当然に無効ではない以上、家主としては契約書に盛り込んでおくとよいでしょう。