2018.10.17更新

平成16年6月29日 最高裁判決 裁判集民 214号595頁 裁時 1366号6頁 裁判所ウェブサイト 判タ 1159号127頁 判時 1868号52頁 金法 1723号38頁 金商 1201号19頁 商事法務 1718号2277頁

経緯

昭和59年12月土地1の借地契約開始
昭和62年11月土地2の借地契約開始
昭和63年4月土地3の借地契約開始
特約に従い土地1の地代改定
平成3年4月特約に従い各土地の地代改定
平成6年4月特約に従い各土地の地代改定
平成9年4月特約に従い各土地の地代改定がなされることを前提に、賃貸人が増額賃料を請求したが、借地人らは応じなかった
平成12年4月賃料改定しなかった
平成13年4月借地人らが地主に対し、地代を減額すべきとする意思表示をした
契約内容

所在:大阪市北区の土地(3契約に分けられている)
賃料:【契約当初】土地①545,790円、土地②542,682円、土地③1,447,441円(合計2,535,913円)
【減額請求】土地①442,000円、土地②316,000円、土地③821,000円(合計1,579,000円)
情勢:平成6年4月時の土地合計額1,719,300,000円
平成13年時の土地合計額435,100,000円(平成6年時の約25.3%)
特約:3年ごとに賃料(月額。以下同じ。)の改定を行うものとし,改定後の賃料は,従前の賃料に消費者物価指数の変動率を乗じ,公租公課の増減額を加算又は控除した額とするが,消費者物価指数が下降したとしても,それに応じて賃料の減額をすることはない

裁判所の判断

借地借家法の適用について
各賃貸借契約は,建物の所有を目的とする土地の賃貸借契約であるから,本件各賃貸借契約には,借地借家法11条1項の規定が適用されるべきものである。


借地借家法の特約排除について
借地借家法11条1項の規定は,強行法規であって,本件特約によってその適用を排除することができないものである。


賃料増減額請求権の行使について
各賃貸借契約の当事者は,本件特約が存することにより上記規定に基づく賃料増減額請求権の行使を妨げられるものではないと解すべきである。

結論 : 減額請求できる

ポイント

地代の減額をしないことを明示した特約があった場合でも、地代の減額請求はできると示されました。
借地借家法11条1項により、地代が公租公課や地価の変動により不相当となったときは、地代の額の増減を請求することができると定めていますが、この規定は強行法規であって、当事者が異なる特約を結んだ落としても特約に優先すると判断しました。