家賃(賃料)の消滅時効について

家賃の消滅時効

家賃の時効は、5年です。

一般的に金銭請求権は、請求できると知った時から5年で時効により消滅します。

家賃の請求も一般の債権と同様、5年で時効消滅します。

例えば、2022年4月分の家賃(賃料)を2022年3月31日までに支払うこととなっていた場合、2027年3月31日を経過したときは、当該家賃は請求できなくなります。

既に5年以上の滞納が続いている場合は、1ヶ月ごとに5年前の家賃の時効消滅が生じていることになりますので、速やかに時効消滅を防ぐ手立てを講じる必要があります。

時効が止まる条件

時効により請求できなくなることを、時効が完成するといいます。

時効の完成を阻止する方法は、次の3つです。

  1. 催告することにより、6ヶ月間の「完成猶予」をする。
  2. 相手の承認を得て更新し、新たに5年とする。
  3. 裁判を起こし、判決確定から10年とする。

既に時効が完成しそうなものがある場合、まずは催告(①)を行って、それ以上の時効消滅を防ぎつつ、裁判を起こして時効の完成を10年後まで延期する(③)のが通常の方法です。

充当関係

相手が家賃滞納後、数ヶ月に一回払ったり、月額賃料に満たない少額を払ったりした場合に、どの月に充当するかによって、時効の影響が異なる場合があります。

時効の影響を最小化するには、常に未払分のうち、最も古い家賃に充てることが必要です。3月分の支払がないまま4月分の期限に1ヶ月分のみの支払があった場合、これを4月分に充当してしまうと、3月分が未払のままになります。充当先を3月分とすることで、滞納分の時効の完成がより遅くなります。

弁護士による督促の効果

既に滞納が5年以上前からある場合でも、その後の対応で時効消滅を防ぎ、全額の回収が可能な場合もあります。

少なくとも、速やかに法律に則った催告を内容証明郵便で送付することで、完成猶予とし、それ以上の時効完成を防ぐ事が可能です。

書式に不備があったり、事後的に立証が困難であったりして、時効の完成を認められてしまう場合もありますので、手続は専門家にお任せいただく事をお勧めします。

当事務所では、時効が疑われる場合、即日の内容証明の発送等も対応しておりますので、ご遠慮なく、速やかにお問い合わせください。

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