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■家賃滞納者への対応の流れ
対応の流れは次の通りです。
- 滞納発生
- 督促(1回目・口頭もしくは文書)
- 督促(2回目・文書)
- 2回目滞納
- 催告・解除通知(内容証明)
- 訴訟提起(明渡・支払)
- 訴訟審理
- 判決
- 退去(明渡)強制執行
- 退去(明渡)
- 滞納家賃回収
2回以上滞納した家賃滞納者に対し、継続して部屋を貸し続けることは、原則として避けるべきです(例外は相手の滞納理由が明確で、その理由の解消も確実であること、あるいは、他に空室があるなど、新規の入居者を募集することに難があること、です。)。
したがって、滞納が生じた場合は、上記の流れに沿って粛々と、着実に退去させる手続を取る必要があります。
上記の流れの中で、相手が任意に退去すれば、それ以降の法的措置は不要となりますが、滞納家賃の回収に必要な場合もあります。
家賃滞納者への対応の要点
対応の要点は、
- 速やかに対応する
- 相手を信用しない
- 確実な方法を採る
です。
そして、これらを確実に行うには、やはり専門家にお任せ頂くことがよいでしょう。
①速やかな対応
滞納は時間が経てば経つほど、損害が拡大し、回収の見込は減ります。滞納があれば1日でも早くそれを確認し、督促するのがよいですし、滞納が2ヶ月になるようであれば、すぐに法的措置に向けた手続を始めるのがよいです。
家主が家賃の入金状況に常に注意を払い、家賃滞納者に対して速やかな督促をしていれば、おのずとその姿勢が相手にも伝わり、相手も支払を遅れないように意識することになりますので、滞納自体が減っていくことが期待されます。
②相手を信用しない
家主と借家人は、住む場所が近いことも多く、日ごろから良好な信頼関係を築いている場合も多いです。信頼関係は、トラブルや滞納の予防にもなりますので、良好な関係を築くことは大切です。
ただし、相手が家賃滞納者で、金銭の話となると、別です。
当事務所に相談に来る家主の方には「相手が滞納分を分割で支払うというので、それを信用して待ってみたが、結局家賃分すら支払がない」という方がかなりの数に上ります。
そもそも、支払先として最も優先されるべき家賃が払えないという時点で、かなり異常な事態ですし、金銭問題は、人柄や信頼で解決できるものではありません。
「仕事がみつかったから」「来月になれば余裕ができるから」「滞納分を分割で払うから」などの言葉は全く信用してはいけません。
話をする場合、期限までの支払がなければ退去してもらう、という形とし、期限も長くとも1週間程度とします。支払がなければ法的措置を執る旨予告し、実際に執るべきです。
③確実な方法を採る
賃貸借契約は契約の一種であり、かつ入居者の生活に密接に関わることから、特別な法律(借地借家法等)によって様々な規制があります。
したがって、契約の解除から支払いの請求、明渡の請求など、各種手続は過不足なく、また事後的に曖昧にならないよう、着実に行う必要があります。
相手との約束についても、それが事後的に裁判で有効となるためには、間違いのない方法で結ばれている必要もあります。
したがって、家賃滞納者との関係で文書を交わしたり、裁判手続をとる際、確実な方法によらなければなりません。
専門家としての弁護士
弁護士は、法律や裁判・執行の専門家です。弁護士は全ての手続を家主に代わって行うことのできる唯一の職業であり、それだけに経験も豊富です。
ご依頼頂ければ、家主は何もせずに、一任することができます。
仮に手続を家主ご本人が行う場合、裁判手続で不備があれば1,2ヶ月は余分にかかってしまいます。また、司法書士その他の職種では、結局、裁判に慣れていないため同様の不備もありうるほか、簡易裁判所以外では代理ができず、実際は書類だけ渡され、結局、家主が自分で裁判も執行も進める必要があります。
確実に手続を行い、期間を最小化することで、費用も最小化することができますので、弁護士にご依頼されることをおすすめします。