契約違反(ゴミ屋敷)による解除及び退去・明渡し

概要

 本件は東京都北区内のアパートの明渡しの事例です。

 この賃貸物件においては、近隣の住民から苦情(悪臭等)が寄せられていました。そして、相当のゴミ屋敷状態であることが判明しました。すぐに契約を解除して提訴したところ、訴訟を待たずに早期に任意の退去・明渡しを実現できました。

賃貸借契約

地域東京都北区
家賃58,000円(家賃滞納なし)
状況近隣住民から悪臭がするとの苦情あり、警察官と共に入室し、ゴミ屋敷状態を確認
備考借家人とは連絡とれず。
緊急連絡先の親族からも行方不明との回答。

経過

 借家人は1人暮らしの60代男性です。
 近隣住民から悪臭と獣害・虫害について苦情が入り、借家人と連絡を試みるも、連絡は取れませんでした。
 近隣住民が不快感を覚える他、夏を迎える時期であったため、衛生面の問題も重大でした。
 部屋が建物の中心に位置するため、上下左右に悪影響が及ぶ恐れがあったことから、家主としては早期の対応が必要と考えました。
 警察立会の下、室内に入ったところ、思いがけず本人が在室していましたが、足の踏み場もないほどのゴミ屋敷となっている様子を確認しました。
 借家人の意向は明確ではなく、この現場を離れた後は、再び音信不通、行方不明の状況となってしまいました。
 借家人の所在が明らかではなく、法的に解決するべくご依頼となりました。
 なお、他の弁護士にまずは相談されたものの、明渡しにはあまり特化していなかったことから、当事務所にご相談いただきました。

経緯

2024年05月ころ近隣住民から多数の苦情を受ける
借家人とは連絡がとれず
2024年05月17日警察立会いの下、室内確認
借家人本人在室
ゴミ屋敷状態を確認
→その後本人行方不明
2024年06月03日問合せ
2024年06月11日来所、明渡しにつきご相談・ご依頼
提訴準備(印紙発注・切手準備・訴状等作成・証拠書類等準備・住民票等確認)
即日、借家人に内容証明郵便を発送(解除通知)
2024年06月18日東京地裁に提訴
2024年06月21日現地を確認していた管理会社から借家人が在室していたとの連絡あり
任意での明渡完了(所有権放棄・合鍵回収)
2024年06月24日訴訟取下げ

対応結果

 家主から提供された写真を確認しただけでもすぐに契約違反状態に陥っていることがわかりました。
 ゴミ屋敷状態は、理屈としては賃貸借契約における注意義務違反といえますが、実際には外部からは状況も確認できず、また、契約違反となるのはどの程度か、となると判断は難しいものがあります。
 しかしながら、周辺に与える影響や、建物設備の劣化などは深刻であり、早期の対応が必要です。
 そこで、当事務所でも速やかに解除通知を送付し、最速での訴訟提起をしました。
 本件では、訴状が受理され、裁判所の審査をしているタイミングで、偶然借家人と連絡が取れました。そして即時解約・鍵の返却があり、退去・明渡しができました。
 

警察立会い時の室内1
警察立会い時の室内2

ポイント

 ゴミ屋敷の場合、家賃滞納のように一見して契約違反と判断できない場合があります。
 裁判でも必ずしも契約違反が確実に認められるとは限りませんが、交渉と併行して裁判を行うことで、相手も対応せざるを得ませんし、客観的状況の確認や記録も可能です。

 ゴミ屋敷は漏水や腐食に繋がることも多く、建物の価値を毀損しますので、家賃滞納等がなくても速やかに法的措置を執ることが肝要です。
 近隣から苦情が入り、借家人と連絡が途絶えているなどゴミ屋敷の予兆が散見される場合は、当事務所に一度ご相談下さい。
 また、明渡しに特化していない弁護士への依頼を進めると、得てして明渡しが遅れるばかりか、弁護士費用が嵩む傾向があります。
 当事務所では最短・最速での明渡しを実現します。是非お気軽にお問い合わせ下さい。

弁護士の活動・費用

解決までの期間明渡しまで相談から10日
弁護士費用341,000円
(内容証明1.1万円、訴訟着手11万円、明渡報酬22万円)
実費15,143円

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