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概要
本件は、川崎市郊外のアパートの1室の事例です。
賃貸借契約は2006年からで、2020年に家主の男性が亡くなりました。その家主はアパートを他にも複数、所有して管理しており、家主の妻が相続により賃貸人の地位を承継しました。
遺産の整理をしていたところ、借家人の1人の長期滞納が発覚しました(前家主は滞納を把握していたようですが、妻は知りませんでした。)。
そこで、滞納者に対し、電話や訪問により連絡を試みましたが、安否すら不明という状況でした。
当事務所が相談を受け、弁護士が警察官の協力を得て内部を確認すると、想定外に借家人が現れ、その後、交渉により退去及び滞納家賃回収が実現しました。
賃貸借契約
地域 | 川崎市中原区 |
家賃 | 80,000円/月 |
状況 | 約151万円(1年半以上滞納) 連絡つかず。連帯保証人にも連絡がつかず。 |
備考 | 家主は夫から相続したため、契約状況を知らなかった。 |
経緯
2008年11月末 | 家賃の支払が断続的に遅れがちになる |
2020年08月08日 | 元家主(現家主の夫)が死亡 相続手続・整理・片付け →2021年03月に、滞納額が多額に及んでいることが発覚 |
2021年04月05日 | ご相談・ご依頼 現地訪問・警察官立会のもと、解錠して部屋に立ち入り 借家人本人在宅を確認 状況や今後の流れなどの説明 |
2021年04月08日 | 借家人に内容証明郵便を発送(催告及び解除通知) あわせて借家人に電話し、改めて契約関係等を説明 |
2021年04月13日 | 一部入金を確認 |
2021年04月28日 | 残金入金を確認 |
2021年05月31日 | 任意退去 明渡し完了 |
対応結果
入居者の安否の確認ができないという状況から、警察官に臨場を依頼し、合鍵で解錠しました。
すると、想定外に特に体調も悪くない様子の借家人が在宅していました。滞納額が増え、連絡を取りにくかったとのことでした。
任意退去と滞納額の支払いについて説明すると、理解した様子でした。
その後、入居者は親族から資金援助を得たようで、支払を完了すると共に、速やかに退去しました。
結果的にご相談から1ヶ月かからずに滞納額の全額を回収し、2ヶ月かからずに明渡に至りました。
ポイント
連絡に反応がない場合や、入居者の安否に不安がある場合でも、合鍵により承諾なく室内に入ると、後に違法性が認められ損害賠償責任を追及されるおそれがあります。
インターネットの情報等にも正しいものも正しくないものもあります。具体的な行動に出る前に弁護士にご相談いただくことで、取り得る選択肢とその内容が正確に理解できます。
何らかの不安がある場合、まずは弁護士にご相談下さい。
弁護士の活動・費用
解決までの期間 | 全額回収まで相談から1ヶ月弱 明渡しまで相談から2ヶ月弱 |
回収額 | 1,591,577円(全額) |
弁護士費用 | 581,147円 (内容証明1.1万円、明渡報酬22万円、回収額の22%) |
実費 | 13,640円 |