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概要
本件は、東京都との県境に近い、埼玉県和光市の住宅街にある戸建ての事例です。
家主は離れた土地に住んでいましたが、東京によくお見えということで当事務所にご相談いただきました。
入居者は中年男性で、一人暮らしでした。連帯保証人は、入居者の伯母様でした。
コロナ禍もあって収入が減り、体調も崩して失職してしまいました。
そこで、家主は家賃を減額するなどして応じました。入居者は何度か就職するも、短期間で終了してしまうなどの状態で、結局は滞納家賃を支払えず、連絡も取りにくくなりました。
賃貸借契約
地域 | 埼玉県和光市 |
家賃 | 75,000円(途中で47,700円に減額) |
状況 | 1,080,000円滞納(約1年分) |
備考 | 連帯保証人(おば)あり。所有不動産あり |
経緯
2018年03月末 | 家賃の支払が遅れ始める |
2021年11月29日 | ご来所・ご相談・ご依頼 |
2021年12月01日 | 借家人及び連帯保証人それぞれに内容証明郵便を発送(催告及び解除通知) 提訴準備(印紙発注・切手準備・訴状等作成・証拠書類等準備・住民票等確認) |
2021年12月09日 | さいたま地裁に借家人及び保証人両名を提訴 |
2021年12月28日 | 借家人から滞納金の一部入金あり |
2022年01月21日 | 第一回口頭弁論期日(借家人のみ出頭。結審) |
2022年01月28日 | 判決言渡し |
2022年02月28日 | 借家人から滞納金の一部入金あり |
2022年03月03日 | さいたま地裁執行官室宛てに明渡し強制執行申立て 保証人に対する不動産競売申立ての準備開始 (切手等準備・申立書等作成・添付書類等準備・送達証明取得・執行文付与など) |
2022年03月17日 | 1回目の強制執行(催告期日) |
2022年03月30日 | 東京地裁立川支部に不動産強制競売申立て |
2022年04月13日 | 2回目の強制執行(断行期日) 明渡し完了 執行費用額・訴訟費用額確定処分申立ての準備開始 (切手等準備・申立書等作成・領収書その他添付資料準備) |
2022年04月27日 | さいたま地裁に強制執行の執行費用額確定処分申立て |
2022年05月17日 | 保証人の親族から入金を確認 全額回収 競売取下げ |
対応結果
滞納は1年分以上になっていたことから、すぐに裁判所に提訴しました。相手は借家人と連帯保証人の連名です。
なお、借家人は破産申立をする予定として、破産についての代理人弁護士も就任していました。もっとも、破産があったとしても、保証人からの回収という方針について特に影響はありませんでした。
裁判には借家人本人が出席しましたが、滞納の事実に争いはなく、1回で結審し、翌週には判決が言い渡されました。
判決をもとに、借家人には明渡しの強制執行を、保証人には自宅マンションを差押えを行いました。
明渡しにおいては、大量の雑誌や書籍類(コレクション)があるなどして多少時間はかかりましたが、無事、半日程度で完了しました。また、支払についても、連帯保証人側から全額の支払いを提案され、滞納分の他、遅延損害金や費用も含め、全ての支払をうけることができました。
ポイント
本件のように、家主の厚意により減額や猶予をしても、なかなか滞納の状況が改善されない場合も多くあります。
早期に法的措置を執ることで、支払猶予をするとしても、仮に途中で支払が予定通りに行われなかった場合の退去手続が速やかにできる、というメリットが生まれます。
少しでも不安な場合は、たとえ猶予や減額の方針があっても、一度ご相談頂くことをお勧めします。
弁護士の活動・費用
解決までの期間 | 明渡しまで相談から4ヶ月、全額回収まで相談から5ヶ月 |
回収金額 | 2,393,763円(全額回収) |
弁護士費用 | 1,087,627円 (内容証明1.1万円、訴訟着手・明渡着手各11万円、明渡報酬22万円、競売着手11万円、回収額の22%) |
実費 | 291,628円 (実費37,651円、明渡申立費用67,884円、競売申立費用186,093円) ※別途、強制執行費用515,020円(補助業者への撤去作業・保管・処分費用) |