解決事例

連帯保証人の所有不動産を差押えて、滞納家賃等の全額を回収した事例

2022-10-07

概要

 本件は、東京都との県境に近い、埼玉県和光市の住宅街にある戸建ての事例です。
 家主は離れた土地に住んでいましたが、東京によくお見えということで当事務所にご相談いただきました。
 入居者は中年男性で、一人暮らしでした。連帯保証人は、入居者の伯母様でした。
 コロナ禍もあって収入が減り、体調も崩して失職してしまいました。
 そこで、家主は家賃を減額するなどして応じました。入居者は何度か就職するも、短期間で終了してしまうなどの状態で、結局は滞納家賃を支払えず、連絡も取りにくくなりました。 

賃貸借契約

地域埼玉県和光市
家賃75,000円(途中で47,700円に減額)
状況1,080,000円滞納(約1年分)
備考連帯保証人(おば)あり。所有不動産あり

経緯

2018年03月末家賃の支払が遅れ始める
2021年11月29日ご来所・ご相談・ご依頼
2021年12月01日借家人及び連帯保証人それぞれに内容証明郵便を発送(催告及び解除通知)
提訴準備(印紙発注・切手準備・訴状等作成・証拠書類等準備・住民票等確認)
2021年12月09日さいたま地裁に借家人及び保証人両名を提訴
2021年12月28日借家人から滞納金の一部入金あり
2022年01月21日第一回口頭弁論期日(借家人のみ出頭。結審)
2022年01月28日判決言渡し
2022年02月28日借家人から滞納金の一部入金あり
2022年03月03日さいたま地裁執行官室宛てに明渡し強制執行申立て
保証人に対する不動産競売申立ての準備開始
(切手等準備・申立書等作成・添付書類等準備・送達証明取得・執行文付与など)
2022年03月17日1回目の強制執行(催告期日)
2022年03月30日東京地裁立川支部に不動産強制競売申立て
2022年04月13日2回目の強制執行(断行期日)
明渡し完了
執行費用額・訴訟費用額確定処分申立ての準備開始
(切手等準備・申立書等作成・領収書その他添付資料準備)
2022年04月27日さいたま地裁に強制執行の執行費用額確定処分申立て
2022年05月17日保証人の親族から入金を確認
全額回収
競売取下げ

対応結果

 滞納は1年分以上になっていたことから、すぐに裁判所に提訴しました。相手は借家人と連帯保証人の連名です。
 なお、借家人は破産申立をする予定として、破産についての代理人弁護士も就任していました。もっとも、破産があったとしても、保証人からの回収という方針について特に影響はありませんでした。 

 裁判には借家人本人が出席しましたが、滞納の事実に争いはなく、1回で結審し、翌週には判決が言い渡されました。
 判決をもとに、借家人には明渡しの強制執行を、保証人には自宅マンションを差押えを行いました。 
 明渡しにおいては、大量の雑誌や書籍類(コレクション)があるなどして多少時間はかかりましたが、無事、半日程度で完了しました。また、支払についても、連帯保証人側から全額の支払いを提案され、滞納分の他、遅延損害金や費用も含め、全ての支払をうけることができました。

ポイント

 本件のように、家主の厚意により減額や猶予をしても、なかなか滞納の状況が改善されない場合も多くあります。
 早期に法的措置を執ることで、支払猶予をするとしても、仮に途中で支払が予定通りに行われなかった場合の退去手続が速やかにできる、というメリットが生まれます。
 少しでも不安な場合は、たとえ猶予や減額の方針があっても、一度ご相談頂くことをお勧めします。

弁護士の活動・費用

解決までの期間明渡しまで相談から4ヶ月、全額回収まで相談から5ヶ月
回収金額2,393,763円(全額回収)
弁護士費用1,087,627円
(内容証明1.1万円、訴訟着手・明渡着手各11万円、明渡報酬22万円、競売着手11万円、回収額の22%)
実費291,628円
(実費37,651円、明渡申立費用67,884円、競売申立費用186,093円)
※別途、強制執行費用515,020円(補助業者への撤去作業・保管・処分費用)

連帯保証人の不動産を差押えることにより、満額の任意支払いの合意を得た事例

2022-10-06

概要

 本件は、東京都調布市内、甲州街道から少し入った住宅街にある木造アパートの事例です。
 借家人は3年ほど前から滞納が蓄積し、時が経つにつれ、増加していました。家主は返済計画の覚書を交わしましたが、結局は守られずにいる、という状態でした。
 月額賃料も高いため、早期退去を優先してすぐに提訴しました。
 すると、裁判中に相手は任意に退去し、そのまま判決となり、支払義務も確定しました。
 借家人には見るべき財産がなかったため、保証人と交渉を進めつつ、保証人が所有する財産を差押え(競売にかけ)て回収をする方針を採りました。
 保証人側は競売をなんとしても回避したいとして、それまでに生じた費用(競売申立費用、原状回復費用、弁護士の日当等も含む。)の全額及び遅延損害金も含めた分割支払に合意した上で、当該支払の担保として抵当権の設定にも応じました。

賃貸借契約

地域東京都調布市
家賃月額15万円
状況210万円滞納(1年2ヶ月分)
備考連帯保証人(娘婿)あり
所有不動産あり 

経緯

2018年01月末家賃の支払が遅れ始める
しばしば返済計画を提出するも、結局守られず(滞納分解消せず)
2021年02月01日ご来所・ご相談
明渡し・回収についてご契約
借家人及び連帯保証人それぞれに内容証明郵便を発送(催告及び解除通知)
提訴準備(印紙発注・切手準備・訴状等作成・証拠書類等準備・住民票等確認)
2021年02月19日東京地裁立川支部に借家人及び連帯保証人らを提訴
2021年02月22日借家人から家賃の一部を回収
2021年04月09日第一回口頭弁論期日(借家人のみ出頭)
2021年04月26日借家人から家賃の一部を回収
2021年05月14日第二回口頭弁論期日(借家人のみ出頭)
結審
2021年05月末借家人の明渡し完了(任意明渡し)
所有権放棄書受領
2021年06月04日判決言渡し
保証人らと支払についての交渉開始
保証人らに対する不動産競売申立ての準備開始
(切手等準備・申立書等作成・添付書類等準備・送達証明取得・執行文付与など)
2021年06月23日借家人から家賃の一部を回収
2021年07月19日東京地裁に不動産競売申立て
2021年07月30日不動産競売の開始決定が発令
保証人から頻繁に問合せあり
2021年08月03日借家人及び保証人ら全員と債務弁済承認及び抵当権設定契約を締結
2021年08月25日借家人らから約定通りの初回支払い
2021年09月21日抵当権設定確認
競売取下げ
以降、現在まで毎月末に約定通りの支払いあり

ポイント

 一般的に、競売で不動産の処分が行われると、通常の不動産売買に比して安価で不動産を処分せざるを得ないことが多いです。

 したがって、連帯保証人が所有不動産を差し押さえられた場合、競売は不利益が大きいとして、満額の支払いをしてでも、競売を回避したいと考えることになります。

 当事務所では、入居者や保証人が不動産を所有している場合、速やかに強制競売を申し立てることをお勧めし、実際に実行しています。

 確定判決を元に、全国の所有不動産の調査をすることも可能ですので、保証人に財産があると思われる場合などは、お気軽にご相談下さい。

 

弁護士の活動・費用

解決までの期間明渡しまで相談から3ヶ月、全額支払いの約定まで相談から6ヶ月
回収見込額3,916,194円
弁護士費用
(見込額)
1,312,562円
(内容証明1.1万円、訴訟着手11万円、明渡報酬22万円、競売着手11万円、回収額の22%)
実費402,516円(実費63,643円、競売申立費用338,873円)

滞納家賃について、連帯保証人所有不動産を差押え、競売により全額回収した例

2022-10-06

概要

 東京都中野区内の、西武新宿線沿線の木造アパートの例です。

 長期間にわたる家賃滞納があり、アパートの隣に住む家主からの催促にも、なかなか借家人は応じませんでした。そこで、当事務所に、建物明渡と賃料回収をご依頼頂きました。
 親族による連帯保証があり、親族の所有不動産(土地及び戸建て)がありました。そこで、当該不動産を仮差押(支払を確保するために、売却等をできなくする保全手続)を行い、最終的に明渡しと家賃、損害金、訴訟費用、原状回復費用の全額を回収しました。
 

賃貸借契約

地域中野区
家賃65,000円
状況約30ヶ月分滞納
(遅延損害金を含めると41ヶ月分)
備考連帯保証人(親族)あり。所有不動産(東村山市)あり

経緯

2014年04月末家賃の支払が遅れ始める
2019年01月28日ご来所・ご相談
2019年01月29日借家人及び連帯保証人それぞれに内容証明郵便を発送(催告及び解除通知)
提訴準備(印紙発注・切手準備・訴状等作成・証拠書類等準備・住民票等確認)
2019年02月12日東京地裁に借家人及び保証人両名を提訴
2019年02月21日東京地裁に保証人所有不動産について仮差押命令申立て
2019年03月15日第一回口頭弁論期日(借家人のみ出席)
仮差押命令発令
2019年05月10日第二回口頭弁論期日(結審)
2019年05月31日判決言渡し
2019年06月13日東京地裁執行官室宛てに明渡し強制執行申立て
2019年07月04日1回目の強制執行(催告期日)
2019年07月22日2回目の強制執行(断行期日)
明渡し完了
執行費用額・訴訟費用額確定処分申立ての準備開始
(切手等準備・申立書等作成・領収書その他添付資料準備)
2019年09月04日東京地裁に強制執行の執行費用額確定処分申立て
→同年10月03日、処分決定
原状回復費用請求訴訟の提訴準備
(印紙発注・切手準備・訴状等作成・証拠書類等準備・住民票等確認)
2019年10月25日東京地裁に明渡し訴訟の訴訟費用額確定処分申立て
→同年11月07日、処分決定
2019年11月13日東京地裁に原状回復費用請求訴訟を提起
2019年12月17日第一回口頭弁論期日(両者不出頭。結審)
2019年12月24日判決言渡し
家主と方針等の確認・打合せ
2020年02月03日借家人・保証人両名に対し改めて請求書を発送
→反応なし
保証人に対する不動産競売申立ての準備開始
(切手等準備・申立書等作成・添付書類等準備・送達証明取得・執行文付与など)
2020年02月13日東京地裁立川支部に不動産強制競売の申立て
2020年03月02日競売開始決定
→裁判所内にて執行官・書記官等が手続進行
2020年08月05日裁判所から保証人入院・所在不明との連絡が入る
競売手続き停滞
借家人及び親族等の調査・連絡を試みる
2021年03月05日借家人親族の一人と連絡がとれる
裁判手続き再開
2021年08月25日競売入札開始日
→同年09月07日、改札期日
 同09月27日、売却決定
2021年12月01日裁判所から入金を確認
全額回収

ポイント

 本件は1970年築の古い木造アパートの事例です。家主がアパートの隣地に住み、余り厳しく督促をしない温厚な方であったことから、家賃滞納額は実に30ヶ月分に達していました。
 連帯保証があり、不動産があったことから、提訴と同時期に仮差押をすることをご提案し、後の金銭支払の確保を行いました。保証人がある場合には、その収入や資産状況が回収の成否に大きく関わります。
 この事例では、長年の利用により、風呂、トイレの汚損がひどく、原状回復費用も200万円以上に及びましたが、こうした原状回復費用も全て保証人の財産から回収しました。

 このように、速やかに連帯保証人の財産を調査し、保全手続をとることで、滞納家賃や原状回復費用の回収を確かなものとすることができます。滞納額が膨らまないうちに対処することが最善ですが、金額が大きい場合も諦めずに全額回収の方法を検討、調査いたします。

 お困りの方は、是非一度ご相談下さい。

 

弁護士の活動・費用

解決までの期間明渡しまで相談から5ヶ月
全額回収まで相談から34ヶ月 ※途中、7か月間手続中断期間あり
回収金額6,947,456円(全額回収)
弁護士費用2,244,240円
(内容証明1.08万円、訴訟着手・明渡着手・仮差押着手各10.8万円、明渡報酬21.6万円、原状回復着手5.5万円、競売着手11万円、回収額の22%)
実費967,001円
(実費108,691円(2訴訟含む)、仮差押申立費用12,416円、明渡申立費用198,743円、競売申立費用647,151円)

ビルテナント(飲食店)に対する滞納賃料について、民事訴訟及び銀行預金差押により全額回収した例

2022-09-28

概要

 都内のビルに入居していた飲食店(居酒屋)が、新型コロナウィルスの流行に前後して、家賃を滞納しました。
 緊急事態宣言等で経営が悪化すると、滞納額は大幅に増加し、契約継続は困難な状況に陥ってしまいました。
 当事務所では相談を受けて速やかに民事訴訟を提起し、相手との交渉と並行して、銀行口座情報取得手続や、預金差押などの法的手続も進め、結果として全額回収しました。

賃貸借契約

地域東京都渋谷区道玄坂
家賃月額 140万円(2店舗合計)
状況滞納額約1390万円(2店舗合計)
備考借家人は都内で複数店舗を経営する株式会社。連帯保証人は代表者個人。

経緯

2020年02月末家賃の支払が遅れ始める
2020年04月ころ家主から滞納分の請求(有効な反応なし)
2020年06月01日家主から解除通知を送付
2020年06月10日当事務所にご相談、明渡し・回収についてご依頼
提訴準備(印紙発注・切手準備・訴状等作成・証拠書類等準備・住民票等確認)
2020年06月29日東京地裁に借家人(会社)及び連帯保証人(代表者)両名を提訴
2020年06月30日借家人から家賃の一部入金あるも、明渡しは未了
2020年07月02日借家人に内容証明郵便を発送(解除済通知・退去要求・滞納額等請求)
2020年09月28日借家人担当者が当事務所に来所、交渉(この後もメールにて交渉継続)
2020年10月14日第一回口頭弁論期日(相手は欠席)
2020年11月02日任意退去
2020年11月20日借家人から請求額減額を求める文書を受領
2020年11月25日第二回口頭弁論期日(相手は担当者が出席)
2020年12月25日第三回口頭弁論期日(相手は担当者が出席)
2021年02月24日判決言渡し
2021年03月16日判決確定
裁判所に対する、預金口座情報取得手続準備
(切手等準備・申立書作成・添付書類準備・送達証明取得・執行文付与など)
2021年04月13日東京地裁執行センターに借家人に対する情報取得申立て
各銀行から回答受領
差押え準備開始(切手等準備・申立書等作成・添付書類等準備など)
2021年05月13日回答を元に、東京地裁執行センターに預金口座の差押申立て
2021年05月24日預金口座の残高全額(525万1851円)を差押え
不足分回収のため、連帯保証人(代表者)に対する情報取得手続準備開始
2021年06月24日連帯保証人(代表者)について、情報取得申立て
各銀行から回答受領
2021年07月06日相手から支払についての残額支払い提案あり(580万円)
並行して代表者口座差押えの準備
2021年07月07日差押金525万1851円について、銀行から送金受領
2021年08月05日残額支払いについて、相手と合意
2021年08月12日合意額(580万円)の一括支払いを受け、全額の回収完了

ポイント

 新型コロナウイルスが拡大し始めた時期に滞納がはじまった事例です。
 もっとも、滞納が先行しており、滞納の直接の原因はコロナではありませんでした。
 建物のオーナー(法人)は、自身で複数回、催告し、支払の相談に乗ることも提案しましたが、進展はありませんでした。
 当事務所介入後、相手方の担当者との交渉がなされました。当事務所としては、オーナーの考えに基づき、あくまでも約定全額の支払いを求めました。

 借主が複数の店舗を経営する会社であったこともあり、一定程度の資力が見込まれたため、民事訴訟及び強制執行(差押)を、可能な限り迅速に進め、最終的な回収につながりました。
 テナントにも様々な事情がありますが、オーナーも様々なリスクや負担を負って、不動産経営をしています。契約や法律に定められた権利、利益について、当事務所では早期・確実な実現を図ります。

弁護士の活動・費用

解決までの期間明渡しまで相談から4ヶ月、全額回収まで相談から14ヶ月
回収金額11,050,981円(敷金約334万円と併せて全額回収)
弁護士費用3,619,215円
(内容証明1.1万円、訴訟着手22万円、明渡報酬44万円、
 情報取得着手16.5万円(6銀行)+27.5万円(11銀行)、
 差押着手7.7万円(2口座)、回収額の22%)
実費209,292円
(実費74,573円、情報取得申立費用117,129円(2回分)、差押申立費用17,590円)

借り上げ社宅の明渡しの事例

2022-09-28

概要

 東京都港区内の住宅街に所在する、古い木造アパートの事例です。

 家主は、2007年4月から、アパート2階の一室(約20㎡)を住居として貸していました。相手は会社で、近隣で飲食店を経営していました。

 いわゆる借り上げ社宅であり、飲食店の従業員が利用していました。

 しかし、2011年ころまでに当該従業員は会社を辞めたらしく、支払は入居者が直接支払うようになっていました。そして2011年後半以降、家賃滞納が発生したほか、入居者が大きな音で音楽をかけるなどするため、騒音が問題であるとして、退去を求めることになりました。

賃貸借契約

地域東京都港区
家賃60,000円
状況2ヶ月分滞納。騒音等の迷惑行為あり
備考法人契約(賃借人はA社)。従業員Bが入居。Bは入居中にA社を退職。

経緯

2011年11月06日家主自ら、入居者に対し、滞納・騒音等を理由に退去通知を発送
2012年06月05日ご来所・ご相談・ご契約
明渡しに向け、交渉開始
2012年06月末借家人(A社)と合意解除
2012年07月10日入居者Bに対し、弁護士による退去通知
提訴準備(印紙発注・切手準備・訴状等作成・証拠書類等準備・住民票等確認)
2012年08月24日東京地裁にBを相手に提訴
2012年10月04日第一回口頭弁論期日(B不出頭)、審理終了
2012年10月11日判決言渡し
明渡し強制執行準備
(切手等準備・申立書等作成・添付書類等準備・送達証明取得・執行文付与など)
動産執行準備(同上)
2012年12月19日東京地裁執行官室宛てに明渡し強制執行申立て
併せて動産執行も申立て
2013年01月09日1回目の強制執行(催告期日)
同時に動産執行も行う
2013年01月24日2回目の強制執行(断行期日)
明渡し完了

ポイント

 滞納に加えて迷惑行為(騒音)があり、契約の解除自体は認められやすい事例です。

 本件は、いわゆる借上げ社宅であり、借家人(会社)と入居者(従業員)が異なることが特徴でした。

 転貸の一形態ともいえます。転貸のように当事者が通常と異なる場合、訴訟を起こすときに、誰を相手にするのか、どのような法的根拠で退去を求めるのか(所有権に基づく請求か、賃貸借契約に基づく請求か、など)は注意して選択しなければ、目的が達成できないことがあります。

 この事例では、弁護士による連絡に速やかに借家人(会社)が対応し、合意解除等がなされ、相手が無権原で専有しているとして、所有権に基づく請求を行いました。

 結果的に、裁判もすぐに終了し、また入居者も(多少の残置物はありましたが)任意に退去することとなりました。 

弁護士の活動・費用

解決までの期間明渡しまで相談から半年
回収金額0円(明渡しのみ)
弁護士費用54万円
(訴訟着手108,000円、明渡着手108,000円、明渡報酬216,000円、動産執行着手108,000円)
実費201,965円(実費60,950円、執行補助者費用(催告・断行)135,450円、保管品処分費用5,565円)

迅速な訴訟提起により明渡しを実現し、また給与差押等を経て家賃の全額回収をした例

2022-09-16

概要

 都内人気エリアで早期明渡しを要する案件であり、相談から2日後には提訴しました。その後、各種法的手段を進めて明渡し・回収を図りました。結果的に、速やかな明渡しと家賃回収が実現しました。

賃貸借契約

地域東京都目黒区
家賃71,000円
状況相談前に家主から督促。その後4ヶ月分(284,000円)滞納
備考連帯保証人あり(実母)

経緯

2012年07月末借家人の家賃滞納が始まる
借家人に対して3度、連帯保証人に対して2度、滞納分支払の督促
2012年10月13日借家人及び連帯保証人に対して内容証明郵便発送(催告及び解除通知)
2012年10月末支払及び連絡がなく、契約解除
2012年11月07日ご来所・ご相談
明渡し及び滞納家賃の回収についてご契約
提訴準備(印紙発注・切手準備・訴状等作成・証拠書類等準備・住民票等確認)
2012年11月09日東京地裁に借家人及び連帯保証人両名提訴
2012年12月17日第一回口頭弁論期日(連帯保証人のみ出廷)
2013年01月10日第二回口頭弁論期日(連帯保証人のみ出廷)
2013年01月22日判決言渡し(連帯保証人のみ。請求全額認容)
2013年01月28日第三回口頭弁論期日(借家人のみ。不出廷)
2013年02月04日判決言渡し(借家人のみ。請求全額認容)
2013年02月22日連帯保証人に対し支払についての和解提案を発送(応答なし)
明渡し強制執行準備
(切手等準備・申立書等作成・添付書類等準備・送達証明取得・執行文付与など)
借家人が勤務する会社(以下「A社」)に対する給与差押え準備(同上)
2013年03月07日東京地裁執行官室宛てに明渡し強制執行申立て
2013年03月25日1回目の強制執行(催告期日)
2013年04月02日東京地裁に対し、A社からの給与差押えの申立て
2013年04月04日2回目の強制執行(断行期日) 明渡し完了
借家人と支払に関する協議を継続
2013年04月09日東京地裁からA者に対し、差押命令発令
2013年04月18日A社から陳述書を受領(差押対象なし)
A社に対する取立訴訟準備
(印紙発注・切手等準備・訴状等作成・証拠書類等準備)
2013年06月03日東京地裁にA社を提訴(取立訴訟)
2013年07月05日第一回口頭弁論期日(A社出廷)
2013年08月末借家人から一部入金を確認
2013年09月中旬第二回口頭弁論期日(A社出廷)
2013年09月末借家人から2回目の一部入金を確認
2013年10月28日借家人から全額分割払いについての念書を受領
3回目の一部入金を確認(以後、毎月末に入金)
2013年10月29日A社に対する取立訴訟を取下げ
2014年10月24日借家人から15回目(最終)の入金確認
全額回収完了

ポイント

 東急、都立大学駅から徒歩圏内の、人気エリアのワンルームマンションの例です。

 滞納が始まってから毎月、家主自ら、借家人及び連帯保証人に督促をしていましたが、一向に支払ってこなかったことからご相談に見えました。
 家主は内容証明にて解除予告もしており、配達の確認もとれていたため、相談からわずか2日後には、東京地裁に対し、裁判を起こしました。
 年末を挟みつつも、裁判はすぐに終了し、勝訴しました。しかし、支払いもなければ立退きもされなかったことから、強制執行手続により明渡しを実現しました。
 滞納家賃については、借家人の勤務先が判明していたため、給与等の差押えも実施しました。
 結果的に、給与差押えによる直接の回収ではありませんが、会社への影響を避けるべく、借家人が分割支払に同意し、実際に分割払いで全額回収しました。
 明渡し及び家賃回収を実現すべく、粛々と確実に手続を進め、無事完全に回収できた一例となりました。(管理番号:483)

弁護士の活動・費用

解決までの期間明渡しまで相談から5ヶ月、全額回収まで相談から11ヶ月
回収金額108万円
弁護士費用665,280円
(訴訟着手108,000円、明渡着手108,000円、明渡報酬216,000円、回収報酬21.6%)
実費303,093円(実費88,814円、執行補助者費用(催告・断行)178,500円、保管品廃棄費用35,779円)

同居人の居座りに対する明渡しと保証人から全額回収した例

2022-09-12

概要

 借家人の死亡後、息子が家賃を支払わずに居座っていたため強制執行により明渡しを実現。滞納分は保証人との交渉により全額回収した例です。

賃貸借契約

地域仙台市
家賃5万円
状況50万円未納(10ヶ月分)。借家人は死亡。息子(無職)が同居。
備考連帯保証人(賃借人の妹(同居人の叔母)・会社役員)

経緯

1999年12月賃貸借契約開始(借家人(67)とその息子(28)が、母子で居住)
2014年1月借家人(81)が死亡、息子(41)がそのまま住み続ける
2018年11月末家賃の支払が遅れ始める
管理会社がたびたび訪問するも接触できず
2019年09月03日ご来所・ご相談
明渡し・回収についてご契約
提訴準備(印紙発注・切手準備・訴状等作成・証拠書類等準備・住民票等確認)
2019年09月10日借家人及び連帯保証人に内容証明郵便を発送(催告)
2019年09月13日連帯保証人から請求額全額の振込あり
滞納が解消したため様子見をすることに
2019年11月19日再び滞納が続いたため(9/10月末分未払い)、借家人に内容証明を発送(催告)
提訴準備
2019年11月27日東京地裁に借家人のみ提訴
2020年01月10日第一回口頭弁論期日(不出頭)
2020年01月17日判決言渡し
2020年01月30日東京地裁執行官室に強制執行申立て
2020年02月26日強制執行期日(催告)
本人立会い。3/23の断行までの任意退去を要請する(口頭)
2020年03月04日任意退去要請及び所有権放棄承諾書を再送する
2020年03月16日所有権放棄書を受領。「3/22までに退去する」との記載あり
2020年03月17日強制執行の取下げ→任意撤去
2020年03月23日現地にて退去立会。合鍵の回収。明渡し完了
この後、都内の業者を手配し、撤去・処分の上、原状回復工事
2020年04月16日今回の負担分(原状回復費用含む)の請求書を内容証明郵便にて連帯保証人に発送
2020年04月23日連帯保証人から請求額全額の入金あり

ポイント

 年金生活の母親が借家人で、しばらく息子と2人で入居しており、その後、母親が亡くなりました。
 同居人の40代の息子が継続して入居し一人で暮らしていましたが、1年ほど前から滞納が始まりました。
 物件が仙台で、家主は東京であったため、不動産管理会社に管理を任せていたものの、連絡は付かず、当事務所にご相談・ご依頼となりました。
 一度は保証人から全額の支払いがありましたが、また新たに滞納が続き、結局は明渡しを求めることになりました。
 中には、大量の荷物とゴミに溢れ、いわゆるゴミ屋敷と化していました。
 裁判所指定の執行補助業者の場合、相当高額な見積があったため、同居人に任意退去してもらう方針を探りました。相手は、電話やメールなどを持ち合わせておらず、即時にアクセスできる環境にないため、速達郵便でのやり取りをくりかえし、結果的に、借家人が所有権放棄をしたため、断行には及ばず、任意退去となりました。
 その後は、都内の業者を手配し、ゴミ屋敷内部の撤去をし、原状回復まで行いました。
 また、保証人に上記費用(裁判・弁護士・執行・撤去・原状回復の各費用)を請求し、結果的に全額回収となりました。

内部の状況

弁護士の活動・費用

解決までの期間明渡しまで相談から6ヶ月、全額回収まで相談から7ヶ月
回収金額2,374,070円(全額回収)
弁護士費用675,306円
(内容証明1.1万円×2、訴訟着手11万円、明渡着手11万円、明渡報酬22万円、日当2万円×2、回収額の22%)
実費552,240円
(実費94,640円、撤去・処分費用457,600円)
※強制執行(断行)の業者費用の見積もりは撤去・処分費用も併せて110万円でした。

滞納分を免除して立退きを早めた例

2022-09-01

概要

 新たな入居者募集のため明渡しを優先した例。滞納分を放棄しても時間的・経済的に見て明渡しを優先した方が合理的な場合もあり、今回がまさにその好例でした。

賃貸借契約

地域東京都世田谷区
家賃60,000円
状況3ヶ月分滞納
備考連帯保証人あり

経緯

2013年11月末借家人の家賃滞納が始まる
2014年01月22日不動産管理会社から3ヶ月分(12月、1月、2月分)を催促
2014年02月末ご来所・ご相談
(いったん持ち帰って検討)
2014年03月24日再度ご来所・ご相談
明渡し及び滞納家賃回収のご依頼
即日、借家人・連帯保証人それぞれに内容証明郵便発送
提訴準備(印紙発注・切手準備・訴状等作成・証拠書類等準備・住民票等確認)
2014年03月末賃貸契約の解除
2014年04月11日東京地裁に借家人及び連帯保証人両名提訴
2014年06月29日第一回口頭弁論期日(借家人のみ出頭)
※連帯保証人所在不明により、提訴後少し期間が空いた
2014年07月03日第二回口頭弁論期日(借家人のみ出頭)
2014年07月18日第三回口頭弁論期日にて和解成立
滞納家賃572,000円については、翌々月(9月)末までの明渡しにより免除とする
2014年09月末借家人退去

ポイント

 物件は、世田谷区内、経堂駅から徒歩圏内の閑静な住宅街のマンションです。都内各所へのアクセスも良い場所にあります。
 借家人側が裁判において争う姿勢を見せたため(上階からの漏水被害を主張)、裁判及び明渡しまでの長期化が予想されました。
 他方、連帯保証人は行方不明で、借家人も、財産や収入がほとんどありませんでした。
 長期的には勝訴が可能ですが、期間中の賃料の損失が大きいです。したがって、回収できるかわからない家賃よりも、新たな入居者を優先し、家賃免除による早期退去を提案し、方針としました。
 その後、速やかに交渉を始め、2週間後には和解が成立、その翌々月には退去となりました。
 当事務所は、原則として速やかな法的措置による、権利の確実な実現を目指しますが、物件や案件に応じ、柔軟に、ご依頼者の利益の最大化を図ります。

弁護士の活動・費用

解決までの期間明渡しまで相談から7ヶ月(明渡し方針転換後は決断から約2ヶ月)
回収金額0円(期限内退去により全額免除)
弁護士費用334,800円(明渡報酬216,000円、訴訟着手108,000円、内容証明手数料10,800円×2回)
実費16,650円(住民票・登記等調査、訴訟費用(印紙・郵送費など))

判決取得と同時に明渡しとなった例

2022-08-29

概要

 提訴を契機に早期退去を実現した例です。借家人が経営する会社が物件を本店所在地にしていたことから、借家人と会社を連名で訴えたところ、訴訟提起を知った相手が、判決と前後して退去し、早期明渡しが実現しました。

賃貸借契約

地域埼玉県坂戸市(オーナーは東京都北区)、鉄骨アパート(全4部屋)
家賃56,000円
状況6ヶ月分滞納
備考借主は個人(水道工事会社を経営)、連帯保証人あり(親族)

経緯

2012年08月末借家人の家賃滞納が始まる
2013年01月19日来所・相談・依頼(明渡し及び家賃回収)
2013年01月22日借家人に内容証明郵便を発送(催告及び解除通知)
2013年01月末提訴準備
(印紙発注・切手準備・訴状等作成・証拠書類等準備・住民票等確認)
2013年02月15日東京地裁に提訴
2013年03月14日借家人から答弁書の提出
全額返済及び3月末までに退去するという内容
2013年03月22日第一回口頭弁論期日(借家人は不出頭)
2013年03月27日判決言渡し
(借家人及び会社に対し、明渡しと支払いを命ずるもの)
2013年03月末借家人退去
2014年01月借家人から一部弁済あり

ポイント

 埼玉県内の軽量鉄骨アパートの2DKの一室(42平米)の事例です。
 半年分(336,000円)の家賃の滞納があり、家賃回収と明渡しをご希望でした。
 借家人個人と賃貸借契約を締結していましたが、借家人が代表を務める会社が登記上は同じ物件に所在していました。
 ご相談後数日で内容証明郵便を送り、その後1ヶ月も経たない時点で訴訟を提起しました。会社も本店を置いている以上、占有者として被告に加えました。

 会社は契約者ではないものの、占有者として賃料相当損害金を負うものとされました。

 訴訟提起を知った借家人が、判決とほぼ同時に退去をしました。訴訟が借家人らの退去を促したといえる一例です。

弁護士の活動・費用

解決までの期間明渡しまで相談から約2ヶ月(滞納賃料は現在も回収継続中)
回収金額14万円(残約20万円)
弁護士費用365,040円(回収家賃の21.6%、明渡報酬216,000円、訴訟着手108,000円、内容証明手数料10,800円)
実費12,570円(住民票・登記等調査、訴訟費用(印紙・郵送費など))

明渡し後、滞納家賃を全額回収

2022-08-12

概要

 オーナーの寛大さから、滞納が膨らんでしまった例です。滞納額が多額でしたが、裁判を経て、1年以内に、建物の明渡しも家賃の全額回収も、成功しました。

賃貸借契約

地域大阪府門真市
家賃75,000円
状況約2年分(182万5000円)滞納
備考連帯保証人あり(姉)

経緯

2009年2月末借家人の家賃滞納が始まる
2013年12月09日ご来所・ご相談・ご依頼
借家人・連帯保証人宛にそれぞれ内容証明郵便を発送(催告及び解除通知)
2014年01月20日一部入金があったため、不足分の請求について再度内容証明郵便を発送
2014年02月03日借家人から退去予告の連絡あり
なお、連帯保証人宛内容証明が保管期間経過により返送
2014年02月末借家人退去
借家人・連帯保証人の住民票等調査
提訴準備(印紙発注・切手準備・訴状等作成・証拠書類等準備)
2014年03月24日東京地裁に借家人・連帯保証人両名提訴
2014年05月08日第一回口頭弁論期日
2014年05月29日判決言渡し(請求通りの完全勝訴)
2014年06月04日電話にて借家人と支払方法等について交渉
この後、2度交渉し、6回の分割払いで合意
2014年06月末初回入金確認
以降、同年7/11、7/31、9/1、9/30と入金を確認
2014年10月末最終入金確認(滞納家賃全額の回収完了)

ポイント

 家主の方は温厚な性格で、数年もの間、借家人の「もう少し待って欲しい」との言葉を信じ、督促は余りしませんでした。
 借家人は、払ったり払わなかったりを繰り返していましたが、最終的には2年分の家賃、200万円近くが滞納となりました。
 さすがに困り果て、また、他の所有物件に空きが出て資金需要もあったことから、当事務所にご依頼されました。
 相談を受けた日に内容証明郵便を借家人・連帯保証人に宛てて発送し、2ヶ月程度で任意退去となりました。
 さらに滞納賃料も高額となったため、訴訟を提起し、結果的に連帯保証人から分割で全額の支払いを得ることができました。
 物件は大阪府門真市ですが、家主は千葉県、連帯保証人は東京都荒川区在住でしたので、裁判は東京地裁で行いました。

弁護士の活動・費用

解決までの期間明渡しまでは相談から3ヶ月弱、全額回収までは相談から10ヶ月
回収金額182万5000円(全額)
弁護士費用72万9000円(回収家賃の21.6%、明渡報酬216,000円、訴訟着手108,000円、内容証明手数料10,800円×3回)
実費24,904円(住民票・登記等調査、訴訟費用(印紙・郵送費など))

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